マンダラチャートの書き方と"その後"の実行管理|目標を絵に描いた餅にしない方法

マンダラチャートは「書いた後」が本番

大谷翔平選手が高校時代に使っていたことで一躍有名になったマンダラチャート。「自分も書いてみよう」とやってみた人は多いと思います。

でも、正直に聞きます。書いたマンダラチャート、その後どうなりましたか?

おそらく多くの人が「書いて満足して、そのままになっている」のではないでしょうか。実はこれ、マンダラチャートあるあるです。9×9のマスを埋めるだけでもかなりの時間と思考が必要なので、完成した時点で達成感を得てしまうのです。

マンダラチャートは、目標を構造化するツールとしては非常に優秀です。ただし、それだけでは目標は達成できません。書いた内容を日々のタスクに落とし込み、実行し、振り返るプロセスがあってはじめて意味を持ちます。

この記事では、マンダラチャートの書き方を基本からおさらいしつつ、最も重要な「書いた後にどう実行するか」に焦点を当てて解説します。

マンダラチャートの書き方:基本の3ステップ

まだマンダラチャートを書いたことがない方のために、基本的な書き方を説明します。

ステップ1:中心に「最終目標」を書く

9×9マスの中央に、自分が達成したい最終目標を1つ書きます。

例:「1年以内にフリーランスとして独立する」

ここに書く目標は、具体的であるほど後の作業がしやすくなります。「成長する」「頑張る」のような抽象的な表現ではなく、「いつまでに」「何を」達成するのかを明確にしましょう。

ステップ2:中心の周囲8マスに「中間目標」を書く

最終目標を達成するために必要な要素を8つ考えて、中心の周囲8マスに書きます。

例(フリーランス独立の場合):

  1. スキルを磨く
  2. ポートフォリオを作る
  3. 人脈を広げる
  4. 貯金を増やす
  5. 案件を獲得する
  6. 健康を維持する
  7. 時間管理を身につける
  8. 家族の理解を得る

8つ埋めるのが難しいと感じるかもしれませんが、無理に絞り出す必要はありません。最初は5〜6個でも構いません。後から追加・修正すればOKです。

ステップ3:各中間目標の周囲8マスに「具体的アクション」を書く

8つの中間目標それぞれについて、さらに8つの具体的なアクションを書きます。ここが一番頭を使うパートです。

例(「スキルを磨く」の場合):

  1. Webデザインの教材を1冊やり切る
  2. Udemyのコーディング講座を完了する
  3. 月に2つはポートフォリオ作品を作る
  4. デザインコンペに応募する
  5. 先輩フリーランサーにフィードバックをもらう
  6. 業界のトレンドを週1で情報収集する
  7. 新しいツールを1つ習得する
  8. 実案件を1件こなす

8つの中間目標×8つのアクション=合計64個のアクション。これに中間目標8つと最終目標1つを加えて、9×9=81マスが埋まります。

マンダラチャートの最大の弱点:「64個のアクション」が宙に浮く

ここまでが一般的なマンダラチャートの書き方です。そして、ここからが本当に大事な話です。

64個のアクションを書き出しても、それだけでは「いつやるのか」「どの順番でやるのか」「今日は何をすればいいのか」がわかりません。つまり、マンダラチャートは目標の「地図」であって「ナビ」ではないのです。

地図があれば目的地と現在地の関係はわかります。でも、「次の交差点を右に曲がってください」とは教えてくれない。この「ナビ」の機能を別途用意する必要があります。

多くの人がマンダラチャートを書いて挫折するのは、意志が弱いからではなく、この「ナビ」がないからです。

書いた後の実行管理:4つのステップ

マンダラチャートを「書いて終わり」にしないための具体的な手順を紹介します。

ステップ1:64個のアクションに優先順位をつける

64個のアクションを全部同時にやるのは不可能です。まず、以下の3つのカテゴリに分類してみてください。

  • 今すぐ着手すべきもの(他のアクションの前提になるもの)
  • 3ヶ月以内に着手するもの
  • 半年以降に着手すればいいもの

たとえば、「Webデザインの教材を1冊やり切る」は今すぐ始めるべきですが、「デザインコンペに応募する」はある程度スキルがついてからで良いでしょう。

この分類をするだけで、「今月やるべきこと」が一気に明確になります。

ステップ2:各アクションをさらにタスクに分解する

「教材を1冊やり切る」だけでは粒度が大きすぎて、日々のToDoリストに載せられません。これをさらに分解します。

  • 教材を購入する
  • 第1章を読む
  • 第1章の練習問題をやる
  • 第2章を読む
  • ……

こうして分解した1つ1つが、実際に手を動かせるサイズのタスクになります。目安は「30分〜2時間で完了できる」くらいの粒度です。

ステップ3:タスクにスケジュールを割り当てる

分解したタスクに「いつやるか」を決めます。ここまで来ると、もうマンダラチャートの世界ではなく、タスク管理・スケジュール管理の領域です。

おすすめは、週の初めに「今週やるタスク」を5〜7個選ぶ方法です。月曜の朝に10分だけ時間を取って、マンダラチャートから派生したタスクの中から今週取り組むものをピックアップします。

ステップ4:週次で進捗を振り返り、マンダラチャートを更新する

毎週または毎月、マンダラチャートを見返して進捗を確認します。

  • 完了したアクションにチェックをつける
  • 状況が変わって不要になったアクションを削除する
  • 新たに必要だとわかったアクションを追加する

マンダラチャートは「一度書いたら変えてはいけない聖典」ではありません。むしろ、定期的に更新することで生きたツールになります。

マンダラチャートの個人活用で意識したい3つのポイント

大谷選手の例は有名ですが、あれは「プロ野球選手になる」という1つの目標に人生を賭けていた高校生のものです。社会人が個人で使う場合は、少しアレンジが必要です。

ポイント1:目標は1つに絞らなくてもいい

人生には仕事、健康、家族、趣味など複数の領域があります。1つのマンダラチャートに全部を入れるのが難しければ、領域ごとにミニマンダラ(3×3マス)を作るのも手です。

ポイント2:8マス全部埋めなくていい

「8つ考えなきゃ」と無理に絞り出すと、やらなくてもいいアクションが混ざります。5つか6つで十分なら、空白のままにしておきましょう。後から思いついたときに追加すればいいのです。

ポイント3:抽象度を揃える

中間目標のレベル感がバラバラだと、計画として機能しません。「スキルを磨く」と「Photoshopを使えるようになる」は抽象度が違います。中間目標は同じくらいの粒度で揃えると、全体のバランスが取りやすくなります。

マンダラチャートから日々の実行につなげるツール

マンダラチャートで全体像を描き、そこから日々のタスクに落とし込む。この流れをスムーズにするには、「目標→タスク→日々の実行」を一気通貫で管理できるツールが役立ちます。

Multi Goalsは、複数の目標それぞれにタスクを紐づけて管理できるアプリです。マンダラチャートで洗い出した64個のアクションをタスクとして登録し、ガントチャートで全体の進捗を俯瞰しながら、日々のタスク実行を進められます。マンダラチャートの「書いた後」を支える実行管理ツールとして活用してみてください。

まとめ:マンダラチャートは出発点、ゴールではない

マンダラチャートの本当の価値は、9×9のマスを埋めることではなく、そこに書いた内容を1つずつ実行していくことにあります。

もしあなたが以前マンダラチャートを書いたことがあるなら、今一度引っ張り出してみてください。書いた64個のアクションのうち、いくつ実行に移せていますか?

実行に移せていないアクションがあれば、今日がそれを動かし始めるチャンスです。まずは1つ選んで、タスクに分解して、今週中に最初の一歩を踏み出してみましょう。マンダラチャートが「書いて終わりの紙」から「目標達成のロードマップ」に変わるのは、その一歩からです。